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  • 歴史は50年以上、公園の“富士山滑り台”の謎 発祥地とされる名古屋ではおなじみ

    皆さんは、公園にある通称“富士山滑り台”という遊具を知っていますか?富士山滑り台は、中部地方でも特に愛知県に多く設置されている、個性的な滑り台です。

    この滑り台は名古屋が発祥だといいますが、なぜ“富士山”と呼ばれるようになったのか?どのように広まることになったのか?を取材しました。

    山のような形の滑り台 通称“富士山滑り台”

    11月4日、名古屋市南区に列をつくって歩く男女9人がいました。年齢も20代から70代とバラバラの彼らが住宅街の路地裏を歩くこと10分。目的は公園にある、形が特徴的な滑り台です。

    「せっかくなので、みなさん滑って遊びましょう」(この団体の案内人)

    段ボールを使い、公園にある滑り台で滑り下りたり駆け上ったり、まさに童心に返ったかのようです。

    「年に関係なく楽しめました」
    「本当に子どもに戻った感じがして、すごく楽しいですね」(参加者)

    名古屋の人にとってはなじみのある、この滑り台。

    Q.山のような形の遊具、知っていますか?
    「よく走って、このてっぺんまで行くという遊びをしていました」
    「駆け上がって登れるかみたいなことやってましたよ」(名古屋出身の街の人)

    ところが、この地方以外の出身だという人に聞いてみると?

    「これはね、静岡にはなかったです」
    「私は九州出身なので、地元にはなくって。(嫁いできて)子どもが公園に行くようになって、初めて知ったという感じですね」(他の地域出身の街の人)

    この滑り台は、通称“富士山滑り台”と呼ばれている遊具で、名古屋が発祥とされています。そして、この日行われていたのは、“富士山滑り台”の魅力を再発見しようというツアー。

    企画したのは、愛知県津島市に住む牛田吉幸さん。“富士山滑り台”を追い続けて18年という牛田さんの部屋には、自らが撮影した数多くの“富士山滑り台”の写真が並びます。

    「写真の被写体として面白いなと。同じ形に撮ってたくさん並べたら、面白いだろうなというきっかけで始めた」(牛田吉幸さん)

    “富士山滑り台”のとりこになった

    “富士山滑り台”といっても、形や色には様々なバリエーションがあり、中にはカラフルなものや、手すりのついたものなどもあります。その個性豊かな“富士山滑り台”が、東海地方を中心に数多くあることを知り、いつの間にかとりこになっていたといいます。

    「形から、雰囲気から一つ一つなんか違うものがあるので、そこを見比べていくみたいな面白さとかが」(牛田吉幸さん)

    牛田さんが把握している“富士山滑り台”の数は、東海3県内に129か所。そのうち愛知県内にあるのは124か所で、中でも名古屋市内には93か所もあるといいます。

    「遊具ですから、遊んで楽しむ面白さです」(牛田吉幸さん)

    “富士山滑り台”を見るのも遊ぶのも大好きな、牛田さん。ツアー中も“富士山滑り台”への愛が止まりません。

    「てっぺん中央にちょうど穴を埋めた跡があるんですけれど、ここに鎖をとめるフックか何かがあったのかもしれないし、その辺はわかりませんけど、何か埋めた跡です。そこを想像するのも、ちょっとした楽しみということで」(牛田吉幸さん)

    “富士山滑り台”には補修の跡やペンキを塗り替えた跡などが残っていることが多く、歴史を感じることができるのも魅力のひとつだといいます。

    “富士山滑り台”のひみつ

    この“富士山滑り台”が誕生したのは約50年前。当時のことを知る人に、話を聞くことができました。

    「私の先輩の(名古屋)市職員が設計したものになります。当時は公園を数多くつくっていた時代で、子どもたちに人気の滑り台をつくろうということで、大型のシンボリックな遊具を考案したいと考えたようです」(名古屋市緑地事業課 安藤有雄さん)

    当時の名古屋市職員が作ったという設計図を見ると、末広がりの形はまさに“富士山”。安藤さんによると「富士山を意識しているわけではない」ということですが、いつからか市民たちが“富士山滑り台”と呼び始めたといいます。

    ではなぜ“富士山滑り台”が設置されている公園が、名古屋市以外にも広がったのでしょうか。

    「この“富士山滑り台”のうわさや評判を聞いて、周辺の方から問い合わせがあって、図面が提供されたと聞いています」(名古屋市緑地事業課 安藤有雄さん)

    名古屋市から提供された図面を元に、“富士山滑り台”をまねる形で東海地方を中心に広がったといいます。ちなみに、名古屋市昭和区の吹上公園にある“富士山滑り台”が、今から52年前に完成した“富士山滑り台”の第1号だということです。

    「本当に名古屋の街の宝物として、これからも愛され続ければいいなと望んでいます」(牛田吉幸さん)

    子ども大人も色々な形で楽しめる“富士山滑り台”。牛田さんは、今後もその魅力を発信し続けていきたいと話しています。

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